週2正社員オンライン小説

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2025/10/31

小説『ふたたび白衣の未来へ』 登場人物

 ■ 主人公佐伯 真理(さえき まり)|40歳前後・元中堅看護師/現在は専業主婦 元・井上総合クリニック所属の看護師。育児を機に退職し、専業主婦に。 看護師としてのキャリアには誇りを持っていたが、ブランクが長くなり自信を喪失。 子育てが一段落した今、「もう一度働きたい」という思いが強くなるも、フルタイムには不安を感じている。 院長から「週2正社員」という選択肢を提示され、復職への一歩...

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2025/10/31

小説『ふたたび白衣の未来へ』 エピローグ&あとがき

エピローグ その後、井上総合クリニックでは週2・週3正社員制度が少しずつ広がり、数名の元看護師が新たに復職を果たした。 そして今日も、白衣の胸には、静かに名札が揺れている。 ——その名前が、また誰かに呼ばれる日を願って。あとがきにかえて──「働く」は、誰かに名前を呼ばれること。 この物語は、「週2正社員」「短時間正社員」と話すと、皆さん一様に面白そう、今からの時代だとは思う...

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2025/10/31

小説『ふたたび白衣の未来へ』第6章:もう一度、名前を呼ばれて

第6章:もう一度、名前を呼ばれて 「佐伯さん、今週もありがとうございました」 金曜の午後、杉山看護師長が廊下で真理に声をかけた。 珍しく、呼び止めるような声だった。 「はい、ありがとうございました」 頭を下げた真理に、杉山は一拍置いてから口を開いた。 「この前の申し送り、助かりました。記録の仕方もきちんと伝わっていましたし、患者さんの反応も良かったです」 それは、言葉としては控えめだった。 けれど...

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2025/10/31

小説『ふたたび白衣の未来へ』第5章:すれ違いのその先で

第5章:すれ違いのその先で 「佐伯さん、昨日の患者さんの件、ありがとうございました」 朝の申し送りが終わったあと、青木優花が、少し気まずそうに話しかけてきた。 「いえ、こちらこそ助かりました」 真理は軽く会釈しながら答える。 カルテの中の気になる数値に付箋を貼っておいた。それに気づいて、青木が主治医に報告をしたのだという。 「……なんか、こういうの久しぶりで。パートだと...

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2025/10/31

小説『ふたたび白衣の未来へ』第4章:初日という名の試練

第4章:初日という名の試練 8年ぶりの白衣は、少しだけ肩がきつかった。 けれど、それよりも背筋が自然と伸びる感覚の方が、懐かしかった。 「じゃあ、今日からよろしくお願いしますね」 朝9時、スタッフステーションでの短い紹介を終えたあと、事務長がそう言って小さく会釈をした。 挨拶はあっさりとしたものだったが、何人かの職員が優しく笑い返してくれたのが救いだった。 ——戻ってきてし...

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2025/10/31

小説『ふたたび白衣の未来へ』第3章:戸惑いの院内会議

第3章:戸惑いの院内会議 「……以上が、短時間正社員制度の導入概要です」 午後2時。 会議室に並んだ職員たちの前で、井上院長はゆっくりと資料を置いた。 職員の表情は、静かだった。だがその沈黙には、言葉にしづらい戸惑いが含まれていた。 会議には、看護師長の杉山恵子、看護部長、事務長、若手看護師の青木、ベテラン医師、そして一部外部スタッフも同席していた。 井上は言葉を継いだ...

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2025/10/31

小説『ふたたび白衣の未来へ』第2章:働き方という選択肢

第2章:働き方という選択肢「週2正社員制度、ですか……」 数日後、井上院長は電話の受話器を耳に当てたまま、少し苦笑していた。 応対してくれているのは、以前一度だけ県の医療セミナーで名刺交換をしたキャリアコンサルタント、池元南だった。 「はい。うちでも導入したいと考えていまして。看護師の人材不足も深刻ですし……」 「素晴らしい視点だと思います」...

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2025/10/31

小説『ふたたび白衣の未来へ』第1章:忘れかけていた名札

第1章:忘れかけていた名札「おかえりー」「ただいまー!」 リビングに響く親子の声。 佐伯真理はエプロンのポケットからスマホを取り出し、時計を確認した。17時20分。 今日の夕飯は鶏団子のスープと、冷蔵庫の残り物でどうにかなる。頭の中で段取りを整理しながら、ランドセルを放り投げる息子の背中に「靴下脱いで手洗ってー!」と声をかける。 それは毎日変わらない風景だった。 手際よく洗濯物を取り込み、炊飯器を...

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2025/10/30

小説『ふたたび白衣の未来へ』プロローグ

「ふたたび白衣の未来へ」 ——朝の光と、読みかけの新聞記事から始まる物語。 午前7時。 陽の光が、ブラインドの隙間から静かに差し込んでいた。地方都市の一角にある小さな病院、その2階に構えられた院長室は、今日も変わらず静かだった。壁の時計は、長年の使用で針の音もほとんどしない。 井上和宏は、湯気の立つコーヒーカップを片手に、デスクに広げた朝刊に目を落とした。 毎朝変わらない習...

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2025/10/30

小説『ふたたび白衣の未来へ』 まえがき

──白衣に、もう一度、袖を通すために 誰かのために働きたくても、 働くことをあきらめなければならない人がいる。 そんな現実に、小さな風穴を開けたくて、 この物語は生まれました。 これは、大きな革命の話ではありません。 ほんの少し、心を温める未来の話です。 白衣に袖を通すその日を、 もう一度、そっと信じるために。 目次 プロローグ 小説『ふたたび白衣の未来へ』 登場人物 第1章 忘れかけて...

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