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その後、井上総合クリニックでは週2・週3正社員制度が少しずつ広がり、数名の元看護師が新たに復職を果たした。
そして今日も、白衣の胸には、静かに名札が揺れている。
——その名前が、また誰かに呼ばれる日を願って。
──「働く」は、誰かに名前を呼ばれること。
この物語は、「週2正社員」「短時間正社員」と話すと、皆さん一様に面白そう、今からの時代だとは思うけど、今の従業員が、うちの会社には受け入れられそうもない。そんな感想をいただき、どうやってそれを感じてもらえるか?と言う思いから生まれました。
正社員という言葉には、長らく“フルタイムで、責任をもって、毎日働く人”というイメージがつきまとってきました。
けれど、本当に“毎日”でなければ、責任は果たせないのでしょうか。
“週2日”しかいない人は、“正社員ではない”のでしょうか。
主人公の佐伯真理は、かつて病院で誰かの名を呼び、そして名前を呼ばれていた存在です。
その時間を経て、育児や暮らしのなかで一度その場を離れた彼女が、もう一度「自分の名前」を思い出し、呼ばれる場所へ戻っていく。
それは、ただの復職物語ではなく、“もう一度、誰かの役に立つ人として在ること”への再出発だったのだと思います。
この作品の中には、私たちの社会の今がたくさん詰まっています。
看護師だけでなく、保育士も、介護士も、そして多くの“働くことを一度あきらめた人”たちが、制度や環境さえあれば、再び動き出せるかもしれない。
そんな希望を、静かに、でも確かに伝えたくて書きました。
「名前を呼ばれる場所」は、特別な場所ではありません。
ただ、自分の存在を認めてくれる誰かがいて、そこに居場所があること。
もしあなたが、あるいはあなたの隣の誰かが、「働きたいけれど働けない」と思っているのなら——
どうか思い出してほしい。「週5」だけが“本気”ではないということを。
そして願わくば、この物語を読み終えたあなた自身が、もう一度、誰かの名前を、そして自分の名前を、そっと呼びたくなるような、そんな余韻を残せていたら幸いです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
と終わると思ったから、そんなに簡単には終わりません。
そんなにスムーズに 週2正社員を受け入れられるとは思ってません。
そうです裏側には、社労士さん、キャリコンさんの既存のスタッフとの戦いがあったのです。
その話は、このストーリーの裏側として、まとめます。
しばらくお待ち下さい。


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