週2正社員(短時間正社員制度)を解説(セミナーまとめ)

週2正社員・短時間正社員 SUPPORT GUIDE

週2正社員・短時間正社員の活用ガイド

働き方の具体例と導入の進め方

「週2正社員という働き方はわかった。でも、自分の会社ではどう活用できるだろう?」
「子育てや介護と両立したいけれど、どんな仕事の組み方ができるのだろう?」
このページでは、セミナーでお伝えしてきた考え方をもとに、週2正社員・短時間正社員の活用場面と、導入するときに考えたいことをまとめました。

「週2」は、働き方を考える入口の言葉です。週3日や週4日、午前だけなど、本人と会社の事情に合わせた形も考えられます。
制度の基本や社会保険の取扱い・根拠通知については、「週2正社員とは?」のページをご覧ください。

 

働く人と企業が、共に成長できる関係をつくる

週2正社員で目指しているのは、働く人と企業の双方が、納得して長く関われる関係です。
会社が求める仕事と、本人が発揮できる力、働ける時間をすり合わせる。任せる役割や待遇を明確にし、無理なく力を発揮できる環境を整える。その積み重ねが大切だと考えています。

勤務時間が短いからといって、経験や専門性まで小さくなるわけではありません。長い時間は働けなくても、現場の課題に気づく、後輩を育てる、お客様との関係をつくるなど、会社に貢献できることはあります。
「何時間働けるか」とともに、「どんな力を発揮できるか」から仕事を考える。それが、週2正社員の出発点です。

従業員と経営者の健全な関係を目指す
働く人と企業が、納得して関われる関係を。

子育て・介護で、今までの働き方が難しくなったとき

子どもの送り迎えや家族の介護などで、これまでの勤務時間を続けられなくなることがあります。そのとき、「今までどおり働くか、退職するか」だけではなく、勤務日数や時間を見直して、社員として働き続ける方法を考えられます。

例えば、週5日の勤務を週3日にする。毎日の勤務を午前中中心にする。担当業務を整理し、決まった曜日に専門的な仕事を担う。
これは働き方の例であり、どの形が合うかは本人の事情と職場の業務によって異なります。勤務時間に合わせて仕事量を調整し、不在時に誰が対応するかまで決めることが大切です。

会社にとっても、経験を積んだ社員との関係を続けられることには意味があります。一時的に働く時間を短くし、事情が変わったときには再び増やす。そんな変更を相談できる職場であれば、退職する前に話し合える可能性が広がります。

子育てや介護に合わせて週2正社員として働き続ける活用例
暮らしの変化に合わせ、働き方も見直す。

フリーランスや起業、自分の活動と組み合わせる

自分の事業を育てたい。創作活動やスポーツに取り組みたい。その一方で、継続的な仕事や収入の土台も持っておきたい。
週2正社員は、そうした働き方を考える際の選択肢にもなります。

例えば、会社の広報担当として働きながら、別の時間でデザインや動画制作の仕事をする。地域の企業で経験を積みながら、自分の事業の準備を進める。会社で得た経験が自分の活動に役立ち、社外で得た視点が会社の仕事に活きることも期待できます。

両立するためには、勤務時間だけでなく、副業・兼業の扱い、守秘義務、仕事の範囲などを事前に確認しておくことが必要です。会社の仕事にも自分の活動にも、責任を持って取り組める形をつくります。

定年や体力の変化に合わせて、経験を活かし続ける

長年働いてきた人の知識や技術、人とのつながりは、会社にとって大切な財産です。一方で本人には、体力や健康状態に合わせて働く時間を減らしたい、家族や地域活動のための時間を持ちたいという希望もあります。

例えば、毎日の現場業務から、週数日の技術指導や後輩育成を中心とした役割へ移る。特定のお客様への対応や、専門的な判断が必要な仕事を担当する。時間と役割を一緒に見直すことで、経験を活かし続ける方法を考えられます。

定年後の契約は、有期雇用など別の形を取る場合もあります。短時間正社員として位置づける場合は、その条件との整合を確認し、年齢に応じた社会保険の取扱いも含めて設計します。

仕事人生を初期・中期・後期で示した図
人生の段階に合わせて、働き方を考える。

障がいや体調に合わせて、力を発揮できる環境を考える

長時間の勤務や通勤が負担になる人でも、勤務時間や仕事内容、職場環境を調整することで働きやすくなる場合があります。大切なのは、「障がいがあるから短時間」と一律に決めることではありません。本人の希望や得意なこと、必要な配慮を確認しながら、その人に合う働き方を考えます。

時間を短くするだけで解決するとは限りません。休憩の取り方、業務の伝え方、設備、相談できる担当者なども含めて整えることが必要です。
なお、短時間正社員としての雇用と、障害者雇用率への算入は別の確認事項です。雇用率については、対象者や所定労働時間などの条件を確認して進めます。

企業では、どんな仕事を任せられる?

仕事を考えるときは、「週2日でできる仕事を探す」という方法に加えて、「必要なのに、十分に手が回っていない仕事は何か」と見直すことも役立ちます。例えば、次のような役割が考えられます。

分野 任せる仕事の例 運用で考えたいこと
経理・事務 請求、入金確認、月次資料の整理 締め日と出勤日を合わせ、不在時の対応を決める
広報・Web ホームページ更新、取材、SNS運用 発信方針や確認手順、緊急対応を共有する
デザイン・制作 販促物、写真、動画の制作 納期と作業量、修正の進め方を決める
人材育成 技術指導、研修、業務改善 指導する相手と時間を確保する
専門職 資格や経験を活かした現場業務 配置基準、引き継ぎ、利用者への継続対応を確認する

業務委託も、専門性を活かす大切な方法です。そのうえで、日々の情報を共有し、社員として継続的に関わってほしい仕事には、短時間正社員という選択肢があります。どちらが優れているかではなく、必要な関わり方に合った契約や体制を選びます。

導入は、5つの段階で考えましょう

1.必要な仕事を整理する

現在の仕事を洗い出し、任せたい役割、必要な時間、成果として期待することを整理します。フルタイムの仕事量を、そのまま短い勤務時間に詰め込まないことが大切です。

2.本人の希望と条件を確認する

働ける曜日や時間、得意な仕事、今後の希望を話し合います。会社からの提案だけで決めず、収入や生活への影響も含めて、双方が納得できる条件を考えます。

3.待遇と社内の規程を整える

雇用契約、給与、賞与、評価、休暇などの扱いを整理し、就業規則や給与規程等に反映します。健康保険・厚生年金については、「週20時間未満だから対象外」と時間だけで判断せず、短時間正社員に関する通知と実際の雇用条件を確認します。詳しくは制度と社会保険の解説ページをご覧ください。

4.周囲の社員と仕事の進め方を共有する

本人の役割、不在時の対応、連絡方法、情報共有の方法を決めます。周囲に負担が偏らないよう、担当範囲と引き継ぎを明確にすることが必要です。勤務日数が違っても、必要な情報にアクセスできる仕組みを整えます。

5.始めた後も見直す

想定した時間で仕事が終わるか、本人や周囲に無理が生じていないかを確認します。生活や事業の状況は変わります。制度を作って終わりにせず、業務量、勤務時間、役割を定期的に話し合います。

社労士とキャリアコンサルタント、それぞれの役割

社会保険労務士には、雇用契約や就業規則、待遇、社会保険の適用・手続きなど、制度を整える面で相談できます。短時間正社員の取扱いを確認する際は、厚生労働省の通知も共有し、契約内容と実際の働き方を踏まえて検討します。

キャリアコンサルタントには、本人の経験や強み、これから大切にしたいことを整理し、働き方を考える面で相談できます。制度が使えることと、その人に合うことは、必ずしも同じではありません。会社の制度と本人の希望をつなぎ、継続して働ける形を考えることが大切です。

物語で、職場での変化を具体的に考える

制度の説明だけでは、自分の職場で何が起こるかを想像しにくいこともあります。復職する本人は何に迷うのか。受け入れる同僚は何を気にするのか。経営者は、どこから働き方を見直せばよいのか。
そうした場面を物語で考えられるのが、ストーリーで学ぶ「週2正社員」の4冊です。

『ふたたび白衣の未来へ』の表紙

看護師編

『ふたたび白衣の未来へ』

育児で離職した看護師と、迎える側の思い。

『ふたたび園庭の未来へ』の表紙

保育士編

『ふたたび園庭の未来へ』

復職に向けた、同僚や保護者との関係づくり。

『ふたたび介護の未来へ』の表紙

福祉・介護士編

『ふたたび介護の未来へ』

制度を、人を活かす仕組みへ変える。

『ふたたび、美容の未来へ』の表紙

美容編

『ふたたび、美容の未来へ』

スタッフが定着する働き方を経営者が考える。

これらは、小説を通じて働き方や職場づくりを考えるシリーズです。物語の本文はWebで無料公開されており、紙の本と電子書籍もあります。書籍には、導入する側に向けた巻末解説「選択肢を増やす、という経営」が収録されています。

自分の業種に近い1冊から読むのも、社内で共有して話し合うきっかけにするのもよいでしょう。
4冊の詳しい内容・購入案内を見る

制度や導入方法を、もっと詳しく知りたい方へ

『週2正社員のススメ』の表紙

『週2正社員のススメ』

週2正社員の考え方から、社内制度の整備、キャリア開発、地域での活用まで、さらに詳しく知りたい方にご紹介します。経営、社会保険労務、キャリア開発などの視点から、働く人と企業の双方にとって納得できる働き方を考える一冊です。

「なぜ、この働き方が必要なのか」「会社の制度をどう整えるか」「本人のキャリアをどう支えるか」。物語シリーズで働く場面をイメージした後に読むことで、自分の職場で検討したいことを、より具体的に整理できます。経営者や人事担当者、導入を支援する専門家の方にもおすすめです。

詳しい内容・目次・購入案内を見る

地域の中で、働く機会を増やす

一つの会社だけでは、専門人材をフルタイムで雇うほどの仕事量がないこともあります。それでも地域全体で見れば、経理、広報、IT、接客など、人の力を必要としている場所はあります。本人が希望し、勤務条件を調整できれば、複数の企業に関わる働き方も考えられます。

こうした働き方を支えるには、仕事の紹介だけでなく、学び合う場所や相談できる人、企業同士が出会う機会も必要です。コワーキングスペースや共同の研修、地域企業の業務を支える窓口などは、そのための仕組みとして考えられます。地域通貨も、人や仕事のつながりに加えて、地域の中でお金が循環することを目指す取り組みです。

週2正社員を入口に、人・仕事・学びが地域の中でつながる。私たちは、働く人と企業の選択肢を増やすことが、地域の可能性を広げることにもつながると考えています。

学び直しやコミュニティースペース、地域通貨、共同窓口で週2正社員を支える構想
人・仕事・学びをつなぐ、地域での取り組み。

この考え方を、地域で実践する場所が「新宮CoCoスクエア」です

ここまで紹介してきた、人・仕事・学びを地域の中でつなぐ考え方。その実践の場として、私たちが運営しているのが、福岡県新宮町の「新宮CoCoスクエア」です。
仕事をする場所としてだけでなく、地域の人や事業者が出会い、相談し、学び、新しいことに挑戦できる拠点を目指しています。

日替わり店長として自分の経験や得意なことを活かす。起業や事業について相談する。イベントを通じて、普段は接点のない人と知り合う。地域通貨「CoCoコイン」を使って、地域の中でお金を循環させる。
こうした一つひとつの取り組みが、人と人、人と仕事をつなぐきっかけになります。

週2正社員という働き方も、制度があるだけで広がるわけではありません。働きたい人と企業が出会い、互いを知り、働き方を相談できる環境が必要です。
新宮CoCoスクエアを、短時間正社員として働く人や、そうした人材と一緒に仕事をしたい企業を支える、地域の基地局にしていく。それも、この場所で実現していきたいことの一つです。

新宮CoCoスクエアの取り組みを見る

自分の職場なら、どんな形が考えられるでしょうか

まずは、「どの仕事に人の力が必要か」「誰が、どんな条件なら働き続けられるか」を考えるところから始めてみませんか。短時間正社員は、勤務日数を減らすだけの話ではありません。仕事と役割、待遇、情報共有を見直し、働く人と会社の関係をつくる取り組みです。

一般社団法人中小企業事業推進機構では、週2正社員・短時間正社員の活用についてご相談を受け付けています。

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どこから手をつければよいか、という段階からご相談ください。

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