週2正社員とは

今、社会で働く人はさまざまな働き方を選択できる時代となっています。「正社員で終身雇用」が王道だった社会は会社側からも働く人側からも終わりを告げ、起業・副業・業務委託・フリーランス・パートタイムなど、さまざまな業務スタイルやアクションを選択しながら働く時代になりました。

 

正社員、パートタイム、フリーランスへの業務委託などには、それぞれ会社側、働く側にとってメリット・デメリットがあります。

さまざまな選択肢がありながらも、会社・働く人、やはりそれぞれに悩みは生まれます。それらを解決する選択肢となりうる働き方が「週2正社員」なのです。

「週2正社員」ときいて、「そんな無茶な」と思った方が多いと思います。「正社員」とは、多くの場合「週5日・1日8時間程度働いて、社会保険に入ってもらう従業員」と思っていらっしゃるのではないでしょうか?

ところが、最初に申し上げたように、社会保険労務士、キャリアコンサルタント、人事コンサルタントなどの専門家たちとあらゆる法律や厚生労働省が定める規約などを調べた結果、「『短時間正社員』という就業規則を作れば、週2の勤務でも健康保険や厚生年金に加入できる」ということがわかったのです!それは「週2正社員」というワードが誕生した瞬間でした。

ではなぜ、「週2正社員」がいいのか?比較してみましょう。

一見お互いに都合の良いように思える「業務委託」は、次のようなデメリットがあります。
会社側のデメリット…企業の成長を一緒に考えてもらえるパートナーではない。
働く側のデメリット…中長期的に仕事が安定しない。

一方、「フルタイム正社員」を雇う・働くことへのハードルもあります。
会社側からのハードル…フルタイム正社員ひとり雇うための費用負担。
働く側からのハードル…週5日9時〜18時などで働くことが困難。(子育て、介護、障がい、年齢などの理由で)

これらのデメリットやハードルをクリアするのが、今回お伝えしたい「週2正社員」の仕組みです。
「週5日は働けないけれど、安定や安心は欲しい」働く人や、
「フルタイムほどの仕事量ではないし人件費もかけられないけれど、一緒に会社の成長を考えてもらえるくらい『内側』のスタッフとして働いてほしい」会社など。
働く人側、会社側、双方から満足できる働き方・雇い方が、「週2正社員」なのです。

 

この仕組みがあることで、業務委託では難しい「週2正社員で働く仕事の安定」「健康保険や厚生年金への加入という安心感」を得てひとつの軸をつくり、自分の状況や今後の夢に合わせて、時間を使うことができます。

パターン1)「週2正社員」×「週2正社員」×「週2正社員」 (週2正社員の掛け持ちで、自分のスキルを複数の会社で活用し、収入の安定・増加も得る。副業ではなく「複業」

パターン2)「週2正社員」1社 (子育て、介護などをしながらも週2日くらいなら働ける…という状況のとき、収入にもなり、社会保険も維持できる)

パターン3)「週2正社員」×フリーランスで業務委託や起業の準備など (週2正社員で一定の仕事量と社会保険を維持しながら、他の5日は自分の今後の展望にむけての準備や勉強、新しい仕事へのチャレンジなどに時間を使うことができる)

パターン4)定年退職後「週2正社員」で継続。 (社会保険を維持しつつ、残りの5日はのんびりするもよし、ボランティアをするもよし、学び直しや第2の人生へ進むことも可能!)

会社としては、フルタイム正社員を雇うという中小企業にとってはハードルは高い部分を「週2正社員」であればより負担軽く雇用することができます。

パターン1)専門性は高いが業務量は少ない仕事のための雇用。 (SNSに詳しい人材を会社のSNS運用担当として週2きてもらう。例えばYOUTUBE動画制作などに関しても、外注で依頼するよりも「社内スタッフ」であることで、会社の今・未来などまで共に考え制作することができるようになる)

パターン2)既存の社員に打診する新しい形での雇用。 (定年や子育てで退職を余儀なくされるシーンを迎えた有能なスタッフにこの形での継続を提案できるようになり、関係性を断つことなく社内のスキル劣化を防ぐことができる)

 

働く人や会社だけでなく、「地域」にもメリットがもたらされます。

地域に「週2正社員」を取り入れる会社があることで、既存の住民がその働き方を選ぶことができるのはもちろん、他の地域から移住を検討している人にも「週2正社員」の働き方ができることは魅力となります。Uターンして起業やフリーランスを始めめたい人にとって、安定した軸として選ぶことができるでしょう。

つまり、この仕組みが実現できれば、働く人・会社・地域がみんな幸せになれる、「三方良し」の社会をつくることができるのです。