美容編
それぞれの立場から、「働き続けられる店」を探していく人たち
舞台は、オープンから十年になる美容室「Lumière(ルミエール)」。スタッフは7名の、どこにでもある小さなお店です。
辞めていく若手、間に立って疲れていく店長、独立を勧められ続けるベテラン、業務委託で働くネイリスト、そして一度この店を離れた元スタッフ。売上でも客足でもなく、人だけが残らない。その理由を、オーナーの神崎健一が探していきます。
同じ店で働きながら、それぞれ違う迷いを抱えています
神崎 健一かんざき けんいち
40代後半/美容室「Lumière(ルミエール)」オーナー
美容師歴25年以上。アシスタント時代は厳しい修業を経験し、「技術は努力で身につけるもの」と信じて独立しました。現在はスタッフ7名の美容室を経営していますが、この数年は離職が続き、「良かれと思ってやってきたこと」が通用しなくなっていることに戸惑っています。「スタッフを幸せにしたい。」その思いは昔から変わりません。しかし、その方法だけが分からなくなっています。
佐伯 美咲さえき みさき
30代後半/店長
オープン当初から神崎を支えてきた店長。現場を誰よりも理解し、スタッフからも信頼されています。オーナーの理想も理解していますが、現場では新人とベテランの間に立ち続け、自分自身が疲れ切っていることにも気付かない毎日を送っています。「この店が好き。」だからこそ辞められません。
藤井 陽菜ふじい ひな
22歳/入社2年目
美容学校を卒業し、憧れだった美容師になりました。しかし現実は、営業後のレッスン、休日講習、先輩への気遣いの日々。美容師は好き。でも、「この働き方を何年も続けられるのだろうか」と悩み始めています。
山本 翼やまもと つばさ
30代後半
指名客も多い人気美容師。周囲からは「独立しないの?」と何度も聞かれます。しかし本人は、お客様と向き合う仕事が好きであり、経営者になりたいわけではありません。「独立だけが成功なのだろうか。」そんな疑問を抱えています。
高橋 里奈たかはし りな
20代後半
サロン内でネイルブースを担当。技術には自信がありますが、業務委託という働き方に将来への不安を感じています。もっとチームの一員として働けたら…。そんな思いを心の中に抱えています。
中村 彩なかむら あや
30代前半
神崎の店で働いていましたが、出産を機に退職。美容師を辞めたつもりはありません。子どもが少し大きくなった今、「またハサミを持ちたい」と思っています。ただ、フルタイム勤務には踏み出せずにいます。
別の場所から、この店を見ている人たち
黒田 恒一くろだ こういち
40代前半/美容チェーン本部
大型チェーンのエリアマネージャー。数字だけを見ているように思われていますが、本当は現場出身。店舗の離職率に悩み、本部と現場の板挟みになっています。神崎とは美容学校時代の同期です。
田中 真由美たなか まゆみ
50代
20年以上通い続ける常連のお客様。スタッフが辞めるたびに寂しさを感じています。「美容室って、髪を切る場所じゃないのよ。」そんな言葉が、神崎の心に残ります。
看護師編・保育士編・福祉/介護士編にも登場する、シリーズ共通の人物です
池元 南いけもと みなみ
40代前半
神崎から「人が辞めない店を作りたい」と相談を受けます。制度を勧めるのではなく、「神崎さんは、どんな美容室をつくりたいんですか?」と問いを投げかけ、オーナー自身の想いを整理していきます。
津森 真彦つもり まさひこ
50代
週2正社員制度の設計や就業規則の整備を担当します。美容業界特有のシフトや歩合制度、教育期間なども考慮しながら、現場に合った制度づくりを支援します。「制度は会社を縛るものではなく、人を守るためにある。」そんな信念を持っています。