【短時間正社員シリーズ vol.2】
求人を出しても人が来ない。
来たとしても、条件が合わず辞退されたり、続かなかったり。
そんな時代に、
「週5日・フルタイムで働ける人を正社員として雇う」
という前提だけで人を探し続けるのは、もはや非効率と言えるかもしれません。
最近、じわじわと注目されているのが
**「短時間正社員制度」や「週2〜3勤務の正社員」**という雇用スタイル。
これは、フルタイムでなくても、正社員として責任と裁量を持って働いてもらうという仕組みです。
たとえば──
週2日 × 6時間勤務の事務・経理スタッフ
週3日 × 5時間勤務のIT系プロジェクト管理者
週2日で来られるベテラン営業経験者
これらの人材を「戦力」として迎えることができます。
「週5は働けないからパートで…」と、スキルがあるのに選択肢から外れていた人たちがいます。
育児や介護との両立を考えている主婦・主夫層
フリーランスや副業ワーカー
定年後も週数日で働きたいシニア層
地方に住むリモートワーカー(週2出社なら可能)
こうした人たちは「週2~3なら働ける」けれど、応募できる求人がない。
その結果、採用チャンスを企業がみすみす逃しているのです。
「週2で正社員って、お得すぎない?」と感じる方もいるかもしれません。
でも、だからこそ応募する側にも覚悟があります。
「きちんと責任を持って働きたい」
「パートではなく、チームの一員として働きたい」
そういう意識を持った人材を採れるのが、この制度の強みです。
そして定着率も高い。
待遇ではなく“姿勢”を重視する人材に出会えるのです。
たとえば月収10万円の短時間正社員の場合、
企業側の社会保険負担(健康保険・厚生年金)はおよそ15,000円前後/月。
確かにコストは発生します。
しかし、これは求人広告1本の金額以下。
教育費・採用リスク・早期離職の手間を考えれば、**むしろ“安い買い物”**だと言えます。
就業規則の見直し(週2~3勤務OKの正社員規定を追加)
社労士への確認(労働時間・社保など)
求人票の工夫(「週2〜OK」「短時間正社員可」など明記)
評価制度の設計(稼働日数に応じた目標や昇給)
実際に導入している企業も増えており、社労士さんと相談すればすぐに制度設計可能です。
「週2~3勤務でも正社員として活躍できます」
そう書かれていたら、応募してみようと思う人が必ずいます。
いま必要なのは、
フルタイムで働ける人を探すことではなく、
“働きたい人が働ける形”を企業が提示することかもしれません。
週5勤務前提の採用は、そろそろ限界かもしれません。
「週2正社員」も、立派な戦力。
それを受け入れる柔軟さが、これからの中小企業の採用力を左右します。